かっぱ巻きとツナ巻き。
同僚に飲みに行こうと誘われて、久しぶりにたくさん飲んだなと思う。
自分から誘うというのが苦手で、
誰かに誘われるのを待っている自分がいます。
若い頃は後先の事を考えずに行動して、
今では先の事ばかりを考えてしまっている。
そんな自分が情けなく、もっとありのままに自分を出せたらといつも考えています。
飲み会でもそうで、生魚が苦手なのに同僚に言われるがまま寿司屋に行ったり。
「寿司屋、苦手だから。」
その一言が出てこない。
なんて思われるか嫌われてしまうからなのか、本当の自分を出せなくていつも殻に閉じこもっているように感じています。
もっと素直になれたらどんなにいいだろうかと、
考えながら苦手な寿司がテーブルに並んでいく。
困った私は、かっぱ巻きを注文しました。
同僚はかっぱ巻き?という不思議な表情をしているし、
私は、「大好物なの!」とまた嘘をついてしまう。
その日から、私が残業をしているとコンビニで売っているかっぱ巻きを差し入れしてくれるようになった。
大好物とは言ってしまったけれど、
寿司屋で食べられる物がかっぱ巻きだったからだという理由は誰にも言えない。
嘘をついてしまうと、なかなか本当の事が言えなくなってしまうって本当なのだと実感する。
大好物でもないかっぱ巻きを食べながら、買ってきてくれたという同僚の気持ちに感謝するしかない。
かっぱ巻きよりツナ巻きの方が好きなんだけれどなと思いながら、
このまま黙っておこうと決めた。
これからは自分に嘘をつかないでいくしかないと、
飲み会の場所は自分の意見も言うようにしました。
私が発言したことに周囲も驚いたのか、それじゃあそこに飲みに行こうという事に決まった。
自分の意見を言うって気持ちいいなと初めて感じ、一歩成長できたようにも思った。
我慢する事はないもっと素直でいようと決めただけなのに、
意識するだけで流されない自分になれて嬉しい気持ちになりました。
かっぱ巻きを今でも買ってきてくれる同僚には、
「最近は、ツナ巻きが好きなんだ。」と伝える事にしました。